ドライアイの診断(マイボーム腺機能不全・ドライアイ)
マイボーム腺機能不全(MGD)の定義は、さまざまな原因によってマイボーム腺の機能が瀰漫性に異常をきたした状態であり、慢性の眼不快感を伴うもの、とされています。


MGDの自覚症状は、眼精疲労、ゴロゴロする、ショボショボする、眼脂が出る、眼が乾く、べとつく、不快感がある、痛い、涙が出る、痒い、充血しやすい、眩しい、瞬きの回数が多い、眼を開けていられない、ものもらいがよくできる、等で日常生活において様々な支障をきたすものです。
MGDの有病率は40歳を超えた頃から急激に増加し、50歳以上の日本人の47.5%にMGDがあるとされています。ドライアイ全体の86%はMGDが関連する蒸発亢進型ドライアイです。
日本では2023年2月に初めてMGD診療ガイドラインが発行されました。
当院でも最新のガイドラインに従ってMGDの診断、治療ができるよう機器を揃えています。

ドライアイ検査機器:idra(イナミ社)
油膜の動態撮影による厚み計測、マイボーム腺の形態を赤外線にて高解像度撮影し4段階のマイボスコアにて評価、涙液メニスカスの深さ測定、涙液が乾くまでの時間(ブレークアップタイム)の自動計測、瞬きの程度、質を評価、マイボーム腺の開口部の状態や血管拡張の程度を撮影できます。
この検査結果によりMGD、ドライアイの詳細なタイプ診断ができ、点眼薬の種類、治療法を個別に考えることができます。
ドライアイの治療

治療機器:
OptiLight M22(LUMENIS社)
日本で唯一MGD治療を目的として厚生労働省より承認を取得したIPL治療機です。
血管性病変改善による異常血管の凝固、マイボーム腺からの分泌脂(マイバム)の融解による閉塞解除、サイトカイン抑制による抗炎症作用、熱刺激によるコラーゲンの再構築、といった作用があり、MGDによる様々な眼症状を改善します。
2-4週間ごとに4回を1クールとして治療します。
初回 | 1回6,000円+税(計6,600円) |
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2回目以降 | 1回7,000円+税(計7,700円) |
まとめ割 | 4回26,000円+税(計28,600円) |
この価格には「idra」を用いたMGD・ドライアイの検査費用を含みます。
idra検査のみをご希望の場合、1回2,600円+税(計2,860円)
保険診療と自費診療の混合診療はできません。
IPLは別日に予約をお取りさせていただいております。
霰粒腫IPL治療
涙が蒸発しないように眼の表面には油の層があります。
この油分を分泌するのが、まぶたのきわにあるマイボーム腺です。
マイボーム腺の出口が閉塞し、炎症が生じると肉芽腫と呼ばれるしこりができます。
これを霰粒腫と呼びます。


炎症を抑える点眼、軟膏、内服をしても小さくならない場合切開が必要でしたが、美容で使用されるIPLレーザーが霰粒腫に有効であることがわかり、当院でも導入しています。
IPLレーザーはマイボーム腺からの分泌脂(マイバム)の融解による閉塞解除、サイトカイン抑制による抗炎症作用、熱刺激によるコラーゲンの再構築、デモデックス(睫毛ダニ)の減少といった効果があります。
霰粒腫は多発したり、再発を繰り返したりしますが、IPL治療は霰粒腫ができている部分だけでなく両まぶた全体に当てるので、マイボーム腺機能が改善し、再発予防にも効果的です。
切開が難しい小さなお子様や、切開の傷跡が気になる方にも適しています。
1回の治療で小さくなることもありますが、小さくならない場合、2週間以上空けて2・3回行います。

霰粒腫IPLの方法
両まぶたの周囲に冷たいジェルを塗り、こめかみからまぶた全体にレーザーを当てます。
その後、霰粒腫の部分だけ重ねてレーザーを当てます。
まぶしい光と多少パチッとした感覚はありますが、痛みはなく20分程度で終了します。
霰粒腫IPLの費用 | 1回5,000円+税(計5,500円)健康保険の適応外で、自費診療となります。 |
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当日の注意点
黒い色に反応しますのでうぶ毛、ひげは剃ってからお越しください。
ノーメイクで、日焼け止めも塗らずにお越しください。
メイクをして来られた場合は、院内で落としてからの施術となります。
メイク落とし、洗顔料、タオル、化粧水、乳液、日焼け止めは当院で準備しています。
敏感肌の方や、愛用品がおありの方はご自身でご準備をお願い致します。
また、帰宅時にメイクをされる場合はメイク用品をご持参ください。
終了後はジェルを拭き取り、顔を洗ってご帰宅いただきます。
IPL後はなるべく日焼けしないように気を付けてください。
入浴、洗顔、マッサージなどの制限はありません。